「今日」から学ぶ。

「円周率」って何?定義の大切さを学ぼう。 – 「9月25日」から学ぶ。

みなさんおはようございます。
(ちょっと間が空いてしまいました。)

本日、9月25日(金)
今年は366日ありますが、今日はその269日目です。

そんな「9月25日」を学びの機会思考の機会にしていきましょう。

「9月25日」に関係する問題

というわけで、まずは「9月25日」に関係する問題を2つ考えてみましょう。

問題①:「円周率」って何?

では、第1問目。

【問題1】
小学校の算数で「円周率」というものを習いますが、そもそも「円周率」ってなんでしょう?

.

これ、答えられない人がけっこう多いのが、日本の教育の質を物語っている気がします。大人でもけっこう答えられなかったりする。

生徒に、「円周率っていうけど、そもそも円周率って何のことか知ってる?」と聞くと、

「え、そんなの3.14に決まってるじゃん。」

「いや、そうじゃなくて、円周率の値が3.14って知ってるんだろうけど、その3.14って何の値なの?」

「・・・。」

この質問に答えられない。つまり、意味を習っていない、もしくは習ったけど軽視して忘れてしまっている。

これだと、やっぱり思考力がつきにくいわけです。思考のブロックにあたる定義があいまいだから、そのブロックはもはや豆腐とかマシュマロのようになっていて、組み立てようとしてもすぐに崩れてしまう。

というわけで、この機会に円周率の定義を抑えておきましょう。

円周率というのは、円の周りの長さ(円周という)を円の直径で割った値のことです。

よく学校や塾の授業で、「円周は半径×2×3.14!これ絶対覚えてー!」なんて習いますが(僕も小学校の頃にそう教わりました)、これは公式でもなんでもなくって、上の定義を分かっていれば当たり前なわけです。こういう授業をする先生って、暗記する必要のないことを暗記させることに重点がいってしまっていて、子どもたちの思考力を下げることに貢献してしまっているわけです。

さて、脱線しそうなので次の問題。

問題②:円周率が延々と続くことを証明したのは誰?

円周率と言えば、3.14…と延々と続くことは知っているかと思います。

でも、本当に延々と続くんでしょうか?知識として知っているだけで、本当にそうなのか考えたことがありますか?

というわけで2問目です。

【問題2】
以下の4人の中で、円周率が延々と続くことを証明した人は誰でしょう?

 1. ヨハネス・ケプラー
 2. ヨハン・ハインリヒ・ランベルト
 3. アイザック・ニュートン
 4. ゴットフリート・ライプニッツ

.

まぁここまでくると、ただの雑学ですね。でも、数学史を学ぶための助けになる雑学なので、ぜひ覚えておいてください。

答えは、「2. ヨハン・ハインリヒ・ランベルト」です。

実は円周率が延々と続くこと(円周率が無理数であること)を証明した人は、ランベルト以外にもたくさんいますが、今日9月25日はランベルトの命日なので、答えをランベルトにしてみました。

「定義」をないがしろにする日本の初等・中等数学教育に対する東大数学からのメッセージ

さて、上の問題1のところで書いたように、日本の小学校・中学校・高校では「定義」にあたるものをかなり軽視し、「どうやって考えるのか?」を教えることなく、公式の暗記に終始してしまう授業であったり先生であったりがかなり多くなっています。

そしてそれが、大学の教授の悩みの種になっています。

入学してくる学生が、全然頭を使えない。「え、なんで大学っていう学問を追求する場に君きたの?」という状況になっている。

つまり、初等・中等教育(小学校~高校)と高等教育(大学)の間に、かなりの壁ができてしまっている。そんな状況なわけです。

こういった問題は、日本ではちょこちょこあるんですが、そういった数学教育の問題点に対して、よく東大が入試の場を使って問題提起をします。

たとえばこんな感じに。

東京大学過去問 (2003年理系数学 大問6)

【東京大学 2003年理系数学 大問6】

  円周率が3.05より大きいことを証明せよ。

.

たった1行の問題。これが東大の数学の問題です。

この問題、言い換えると、

「あ、うちの大学来たいらしいけどさ、『円周率って何?』っていう小学生でも知ってること、君は知ってるの?知らないなら、来なくていいんだけど。」

そんな東大からの受験生へのメッセージが込められています。そして受験生を通り越した小学校~高校の先生にも。

この問題は、公式を暗記している人や、解法を暗記している人にはまったく歯が立たない。でも、「円周率って何なのか?」という小学生の時に習う定義を知っていて、ある程度の思考力を身に着けている人にはけっこう簡単な問題なんです。

そう、実に秀逸な問題なわけです。

ちなみに、上記の東大の問題、少しだけ修正すると、一気に小学生レベルの問題になります。

こんな感じに。

東大理系数学を小学生レベルに改題すると。。。

【東京大学 2003年理系数学 大問6 改題

  円周率が3より大きいことを証明せよ。

.

これだと、小学生でも解けるレベルになります。

東大進学率を上げたい中学受験中堅~難関校とかだと実際の入試に出てもおかしくないレベルですね。

というわけで、ぜひ考えてみてください。

(こういった東大数学からのメッセージも、このブログで近々取り上げていけたらなーと思っているので、この問題の解答はその時に詳しく書きますね。)

.

ではでは、今日はこのあたりで。

またお会いしましょう。