「今日」から学ぶ。

文字を書けることは、当たり前なことではない。 – 「9月8日」から学ぶ。

本日、9月8日。
今年は閏年なので366日ありますが、今日はその252日目です。

今回は、そんな「9月8日」から学んでみましょう。
出てくるテーマとしては、「識字率」「世界の子どもの教育」です。

「9月8日」は国際識字デー。

9月8日は、ユネスコ(UNESCO)が制定している国際デーのひとつである「国際識字デー」です。

なぜ9月8日なのかというと、今から約50年前(1965年)の今日、イランのテヘランで開かれた世界文相会議において、イランの国王モハンマド・レザー・パフラヴィーが、軍事費の一部を識字教育にまわすことを提唱したことがきっかけです。

(ちなみにパフラヴィーはイランの近代化・西欧化(「白色革命」と呼ばれる)を進め、イランの文盲率を95%から50%まで引き下げることに成功。イラン国民の識字率を向上させた人物です。)

このことを記念して、同年11月17日にユネスコが9月8日を国際識字デーにすることを公式に宣言しました。

世界の識字率を知る。

「識字率」と「文盲率」

まずはそもそもの話ですが、「識字率」と「文盲率」という言葉について。

識字率とは、「(総人口のうち)読み書きができる人の割合」のことです。

文盲率とはその逆の言葉で、「(総人口のうち)読み書きのできない人の割合」のことです。

日本の識字率

さて、そんな識字率ですが、みなさんは日本の識字率(読み書きのできる人の割合)がどのくらいか知っていますか?

自分の周りの人のことを考えると、読み書きのできない人っていないなーと思って、たぶん100%なんじゃないかなーと思ったりしません?

実際日本では、子どもたちがほぼ100%の割合で義務教育を受けているため、識字率もほぼ100%だと言われています。(ただ、日本では現在、識字率の調査は行われていないため、正確な値は不明。)

世界の識字率

でも、世界に目を向けてみると、識字率が100%とは程遠い国もかなりたくさんあります。

ユニセフ(unicef)の「世界子供白書2017」のデータを見てみると、識字率の低い国は以下のようになっています。

順位
(ワースト)
国名識字率
1位ニジェール(西アフリカ)     15%
2位チャド(中央アフリカ)      22%
3位南スーダン(北アフリカ)     27%
4位ギニア(西アフリカ)       32%
4位シエラレオネ(西アフリカ)    32%
4位アフガニスタン(南アジア)    32%
7位マリ(西アフリカ)        33%
7位ベナン(西アフリカ)       33%
9位ブルキナファソ(西アフリカ)   35%
10位中央アフリカ共和国(中央アフリカ)37%
11位エチオピア(東アフリカ)     39%
12位ガンビア(西アフリカ)      42%
13位リベリア(西アフリカ)      43%
13位セネガル(西アフリカ)      43%
15位コートジボワール(西アフリカ)  44%
15位イラク(西アジア)        44%
17位ギニア・ビサウ(西アフリカ)   46%
17位モーリタニア(西アフリカ)    46%
19位コモロ(東アフリカ)       49%
19位ハイチ(中央アメリカ)      49%
unicef「世界子供白書2017: 成人の識字率2011-2016」をもとに自作

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上記の表は、識字率が50%に満たない国のリストです。

全部で20か国

世界には約200の国と地域があるので、世界の約10%の国では、識字率が50%未満、すなわち国民の半数以上が読み書きできないという状況が分かります。

世界の人口は2019年の時点で約77億人なので、単純計算で世界の人々のうち約7億7000万人が読み書きができないということになります。

今日、すこし思いを馳せたいこと。

このような世界の状況を見ると、僕らは日本に暮らしていて、当たり前のように文字を読み書きできると思っていますが、それはあくまで生まれた環境によるものなのかもしれません。

今日、学校に行って、塾に行って、もしくは家にいて。
そして机の上にノートを開き、そこにシャープペンで文字を書く。

それが当たり前でないことを少し認識するための一日に、今日をしたいところですね。

そして、今自分がいるところから離れた世界を想像する習慣を少しずつつけていきたいところです。自分の手の届く半径を広げる、という感覚でしょうか。

そんな一日になるように、今日を過ごしていきましょう。

参考資料

最後に、今回の内容をより深く学びたい人向けの参考資料をいくつか挙げておきます。

では今回はこのあたりで。

またお会いしましょう。