「今日」から学ぶ。

オゾン層破壊から「学ぶ」ということを少し考える。 – 「9月16日」から学ぶ。

おはようございます。

本日、9月16日(水)。
今年は366日ありますが、今日はその260日目です。

そんな「9月16日」という日から、今日も少し学んでみましょう。

9月16日は、オゾン層保護のための国際デー

本日9月16日は、「オゾン層保護のための国際デー」。

1994年の国連総会で定められた国際デーです。

というわけで今回は、まずオゾン層が何なのかを学んでみましょう。そしてそのあと、オゾン層保護に関する世界の動きをキャッチアップしてみましょう。

オゾン層とは?

さて、ちょっと最近の話から。

8月が終わり9月になって、暑い夏も終わりに近づき、そろそろ秋だなーという感覚な昨今ですよね。

秋になると、天気がいい日は外でわいわいと遊びたくなったり、公園でピクニックしたり、オープンカフェでのんびりしたくなったりしますよね。

そんな日常ですが、ふと自分たちを俯瞰的に見ると、僕たちは今、地球上に生きています。天気がいい日というのは、雲が少なくて、太陽の光がたくさん地面に届く日です。

太陽の光がたくさん地球にやってきますが、そのとき、紫外線も一緒にやってきます。

紫外線とは?

「光」という言葉をよく使いますが、これは厳密には「可視光線」と呼ばれるものです。

「可視光線」=「可視」な「光線」=「視(み)ることがことが可能な光の線」

ということです。「まぶしいなー」と感じられるということです。

そしてこの可視光線、様々な色の光が合わさってできています。イメージとしてはです。様々な色の光が合わされると、太陽を見たときに眩しいなー感じる「光」のようなものですが、時々その「様々な光」が分解されてそれぞれの色が分かる状態になります。はその現象のひとつなんです。

そして様々な色の光の中で、人間が知覚できるギリギリの色の光が「紫」の光です。

そしてその「紫」の色を超えると、僕ら人間には知覚することができなくなります。そう、その「紫を超えた光」のことを「紫外線」というんです。

紫外線は、英語的にいえば「紫(=violet)」を「超えた(=ultra)」もの、つまり「ultraviolet」、略して「UV」です。

この紫外線、日常ではきらわれものですが、実際はいい面と悪い面の両面があります。

いい面としては、以下のようなものがあります。

  • 殺菌・消毒作用
  • 血行・新陳代謝の促進
  • 皮膚抵抗力の促進
  • ビタミンDの合成

逆に悪い面としては、以下のようなものがあります。

  • 皮膚の炎症を引き起こす。
  • 目の炎症を引き起こす。
  • 免疫系にダメージを与える。

特に問題視されているのは皮膚へのダメージです。皮膚への炎症や、皮膚がんのを引き起こす原因となるわけです。

オゾン層の役割

つまり太陽からやってくるものには、可視光線だけじゃなくて紫外線も含まれているわけです。そしてそれが僕らに害をあたえるわけです。

でも、それを防いでくれるのが「オゾン層」なんです。

オゾン層は、地球の地表から約25km上空あたりにあります。そこで、紫外線を吸収・分解してくれるんです。

ちょっと科学的にいえば、オゾンはO3という化学式で表されますが、これが地表に到達する前の紫外線を吸収し、O2に分解されることで、紫外線のエネルギーを消滅してくれるんです。

このおかげで、僕らは比較的安心して外で遊べるわけです。

紫外線を吸収・分解してくれるオゾン層は減ってきている

しかし、僕ら人類の生活様式が変わったことによって、このオゾン層が破壊されてきています。

たとえば、日常で当たり前に使うようになった冷蔵庫やクーラーは、その中に「冷媒」と呼ばれるものが必要で、そこにかつてはフロンという気体が多用されていました。このフロンがオゾン層を破壊してしまいます。

また、自動車や産業活動で排出される大気汚染物質も、オゾン層の破壊に影響を与えています。

オゾン層は地球全体を包むようにできていますが、上記のような破壊によって穴が開き始めています。これをオゾンホールと言います。

オゾンホールは南極上空に多いとよく習いますが、実は日本上空でもオゾンが減少してきていることを気象庁が観測しています。南極という遠い場所の話、というわけにはいかないわけです。

オゾン層保護に関する世界の動き

こういったオゾン層破壊の状況を問題視し、1980年代から世界では様々な動きが出てきています。主な動きとしては、「ウィーン条約」と「モントリオール議定書」の2つが挙げられます。

オゾン層保護に関する世界の動き①:ウィーン条約

1985年3月22日、オーストリアの首都ウィーンで署名された条約です。正式名称は、「オゾン層の保護のためのウィーン条約」。

この条約では、主に3つのことが規定されました。

  1. 人類がオゾン層を破壊させることにより生まれる悪影響から、人の健康および環境を保護するために適当な措置をとること。
  2. オゾン層に関する研究および組織的観測を行うこと。
  3. 法律・科学および技術などに関する国際的な協力を行うこと。

このウィーン条約から2年後、オゾン層破壊への取り組みをさらに進めたのがモントリオール議定書です。

オゾン層保護に関する世界の動き②:モントリオール議定書

1985年のウィーン条約に基づき、オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、それを規制することを目的としたモントリオール議定書が採択されました。

これが1987年9月16日。

先述の通り、今日が「オゾン層保護のための国際デー」となったのは、この採択日から来ています。

さて、このモントリオール議定書で、オゾン層を破壊するおそれのある物質として指定されたのは、以下の9つです。

  1. クロロフルオロカーボン(=フロンのこと)
  2. ハロン
  3. 四塩化炭素
  4. 1,1,1,-トリクロロエタン
  5. ハイドロクロロフルオロカーボン
  6. ハイドロブロモフルオロカーボン
  7. 臭化メチル
  8. ブロモクロロメタン
  9. ハイドロフルオロカーボン(=代替フロン)

「フロン」というと基本的には上記の「1.クロロフルオロカーボン」のことを指しますが、広義の解釈では「2.ハロン」や「5.ハイドロクロロフルオロカーボン」などを含めることもあります。

このモントリオール議定書は2016年に改定が行われ(キガリ改定という)、フロン・代替フロンを先進国では2020年までに、途上国では2030年までに全廃することが求められています。

オゾン層破壊に対する動きは、まだ途中というわけです。

「学ぶ」というのはどういうことか。

と、僕らは普通に日常を送っていても、そこで使用している冷蔵庫に使われているフロンが、僕らを紫外線から守ってくれているオゾン層を破壊をしている、なんてこともあるわけです。

「学ぶ」ということは、きっとこの「無自覚」を「自覚」に変えていく作業なのでしょう。

そういった学びを、子供も大人も日々続けていきたいものです。

そのために、今日という日を使っていきましょう。

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というわけで今日はこのあたりで。

またお会いしましょう。